夜間の道路使用許可|作業時間を指定されるケースと夜間工事の注意点

専門行政書士が解説

夜間の道路使用許可|作業時間を指定されるケースと夜間工事の注意点

道路使用許可で夜間を指定されやすいケースと、夜間工事の注意点が分かります

「昼間に作業したいのに、警察署から夜間でないと難しいと言われた」
「どんな場所だと夜間の作業になるのか」
「夜間工事になったら、照明や騒音は何に気をつければよいのか」

道路使用許可は、作業する場所や方法だけでなく、作業する時間帯も含めて許可されます。
そのため、場所によっては警察署から「この道路は夜間でないと許可できない」と言われることがあります。

結論からお伝えすると、交通量の多い幹線道路や路線バスが通る道路では夜間を指定されやすく、住宅地では逆に昼間に限られることもあります。
どちらになるかは道路や周辺の状況で変わるので、図面を作る前に警察署へ相談しておくことが大切です。

今回は、夜間を指定されやすいケース、昼間を指定されるケース、夜間工事で気をつけること、夜間になりそうなときの申請の進め方を解説していきます。

1.夜間を指定されやすいケースと、昼間を指定されるケース

交通量の多い幹線道路

①交通量の多い幹線道路

ポイント:昼間に車線をふさぐと渋滞につながるためです

片側に複数の車線がある幹線道路や、朝夕に渋滞する道路で車線をふさぐと、昼間は大きな渋滞の原因になります。
このような道路では、交通量が少なくなる夜間に作業するよう求められることがよくあります。

当事務所が申請した案件でも、交通量の多い道路では、警察署との相談の中で、作業時間を深夜の時間帯に変えて申請したことがあります。

②路線バスが通る道路

ポイント:バス停やバスの走る車線をふさぐかどうかで、作業時間が変わります

路線バスが通る道路で、バス停の前やバスが走る車線をふさぐと、バスの運行に影響が出ます。
そのため、バスの運行が終わった後の時間帯に作業を始めるよう、作業の計画を組み直すことがあります。

作業時間を変えると、ふさぐ範囲や規制する長さを見直せることもあります。
時間帯と規制の方法は、セットで考えるようにしましょう。

③住宅地では、逆に昼間を指定されることがあります

ポイント:夜間の騒音や振動が、住民の生活に影響するためです

一方で、住宅が立ち並ぶ地域の道路では、夜間に作業すると騒音や振動で住民の生活に影響が出ます。
交通量がそれほど多くない道路であれば、昼間の時間帯に限って許可されることもあります。

どちらになるかは、道路の交通量、周辺の建物、作業の内容によって変わるので、事前に警察署で確認しておくのが確実です。

2.夜間工事で注意すること

道路工事で使う重機

①保安灯や照明で、遠くから工事が分かるようにします

ポイント:国の要綱では、150メートル前方から見える保安灯を設置することとされています

夜間は、車の運転手から工事の場所が見えにくくなります。
国土交通省の「建設工事公衆災害防止対策要綱」では、夜間に道路上で工事をする場合の保安灯について、次のように定めています。

第24(道路上(近接)工事における措置)第1項
施工者は、道路上において又は道路に接して土木工事を夜間施工する場合には、道路上又は道路に接する部分に設置したさく等に沿って、高さ1メートル程度のもので夜間150メートル前方から視認できる光度を有する保安灯を設置しなければならない。

建設工事公衆災害防止対策要綱(土木工事編)(令和元年9月2日 国土交通省告示第496号より引用)

同じ要綱では、背の高い建設機械などは白色の照明灯で照らすこと、歩行者の通り道には夜間に適切な照明を設けることも定められています。
夜間に作業する場合は、交通規制図にも保安灯や照明の位置を描いておくと、窓口での説明がスムーズです。

②騒音の大きい作業は、騒音規制法の基準も関係します

ポイント:夜間を指定された道路使用許可は、夜間作業の制限の例外になります

くい打機やさく岩機、出力の大きいバックホウ(原則80キロワット以上で、低騒音型として指定されたものを除く)などを使う作業のうち、騒音規制法施行令で「特定建設作業」とされているもの(その日のうちに終わる作業は除かれます)には、国が定めた騒音の基準があります。

この基準では、地域の区分に応じて、午後7時から翌朝7時まで、または午後10時から翌朝6時までの「夜間」に特定建設作業を行わないことが定められています。
基準に合わない作業は、市町村長から作業時間の変更などを勧告・命令されることがあります(騒音規制法第15条)。

ただし、警察署は道路使用許可に、交通の安全と円滑のために必要な条件を付けることができ(道路交通法第77条第3項)、作業する時間帯もその条件として指定されることがあります。
騒音の基準には、この条件で夜間に作業するよう指定された場合の例外が定められています。

特定建設作業に伴つて発生する騒音の規制に関する基準 第二号(抜粋)
特定建設作業の騒音が、別表の第一号に掲げる区域にあつては午後七時から翌日の午前七時までの時間内、別表の第二号に掲げる区域にあつては午後十時から翌日の午前六時までの時間内において行われる特定建設作業に伴つて発生するものでないこと。ただし、…道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第七十七条第三項の規定に基づき、道路の使用の許可に当該特定建設作業を夜間に行うべき旨の条件が付された場合…における当該特定建設作業に係る騒音は、この限りでないこと。

特定建設作業に伴つて発生する騒音の規制に関する基準(昭和43年厚生省・建設省告示第1号。環境省ホームページより引用)

太字の部分のとおり、道路使用許可に「夜間に行うこと」という条件が付いている場合は、この夜間の時間の制限(基準の第二号)が適用されません。
道路管理者の道路占用許可に、夜間に作業するよう条件が付いた場合も、同じように例外とされています。

ただし、例外になるのは夜間の時間の制限だけです。
騒音の大きさ(敷地の境界線で85デシベル以下)や、同じ場所で連続6日を超えないことなどの基準は、そのまま守る必要があります。

また、騒音規制法で指定された地域で特定建設作業をする場合は、道路使用許可とは別に、市町村長への届出も必要です。
振動規制法にも、同じように7日前までの届出の定めがあります。

騒音規制法第14条第1項(抜粋)
指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の七日前までに、環境省令で定めるところにより、次の事項を市町村長に届け出なければならない。

騒音規制法(e-GOV法令検索より引用)

指定地域の範囲や届出の窓口は市区町村によって違います。
夜間に作業する場合は、夜間を指定された許可証の写しを示すなど、届出のときの扱いも含めて、工事場所の市区町村の環境担当の窓口で確認してください。

③近隣への挨拶では、作業する時間帯まで伝えます

ポイント:夜間の作業は、事前に知らされていないと苦情につながりやすくなります

夜間は、昼間に比べて音が響きやすく、住民の方も在宅していることが多い時間帯です。
工事の前に近隣へ挨拶をするときは、作業する日だけでなく、何時から何時まで作業するのかもはっきり伝えましょう。

挨拶状を用意する場合も、工事の期間と作業時間を必ず書いておきます。

3.夜間になりそうなときの申請の進め方

チェックリストに記入する様子

①作業する時間帯は、図面を作る前に警察署へ相談します

ポイント:時間帯が変わると、規制の方法や図面も変わります

昼間に作業するか夜間に作業するかで、規制する長さ、交通誘導員の人数、保安灯の有無など、図面に描く内容が変わります。
図面を作り終えてから時間帯が変わると、図面を最初から作り直すことになりかねません。

交通量が多い道路や、どちらになるか判断がつかない場所では、時間帯の希望を伝えたうえで、事前に警察署へ相談しておくと安心です。
当事務所でも、昼と夜の2つの案を用意して相談し、警察署の意見を聞いてから1つに絞ることがあります。

②申請書の「期間」欄には、日付をまたぐことが分かるように書きます

ポイント:作業する時間まで書くのが基本です

道路使用許可申請書の「期間」欄には、日付の範囲だけでなく、作業する時間まで書きます。
夜間に作業する場合は、「◯時から翌日◯時まで」のように、日付をまたぐことが分かる書き方にします。

※参考:道路使用許可申請書 記載例 1号許可(工事・作業関係)(福岡県警察)では、期間欄に日付の範囲と「9時から17時まで」が書かれています。

③工事箇所ごとに別の警察署へ申請する場合は、署ごとに条件が違うことがあります

ポイント:先に出た許可の時間帯を、ほかの署の現場に当てはめないようにします

工事箇所が複数あり、それぞれ別の警察署の管内にあるため箇所ごとに申請する場合は、時間帯の条件も署ごとに違うことがあります。
当事務所が同じ時期に複数の警察署へ申請した案件でも、署によって、夜間を指定された場所と昼間を指定された場所に分かれました。

先に許可が出た署の条件が、ほかの署の現場にも当てはまるとは限らないので、許可の内容と条件は署ごとに確認してください。

なお、1か所の現場が同じ県内の2つの警察署の管内にまたがるだけであれば、申請はいずれか1つの署で足ります(道路交通法第77条第1項かっこ書き)。

期間欄を含めた申請書の書き方と、近隣挨拶状のひな形は、下記の記事で詳しく解説しています。

4.まとめ

以上、道路使用許可で夜間を指定されやすいケースと、夜間工事の注意点について解説いたしました。
交通量の多い幹線道路や路線バスが通る道路では夜間を指定されやすく、住宅地では逆に昼間に限られることもあります。
どちらになるかは道路や周辺の状況で変わるので、時間帯は図面を作る前に警察署へ相談しておくことが大切です。

夜間に作業する場合は、保安灯や照明を整えるとともに、夜間の条件があっても騒音の大きさなどの基準や騒音規制法の届出は必要になる点に注意してください。

ご自身で申請するということになると

・事前調査の時間
・警察署・関係庁舎に行く時間
・書類の作成・図面の作成

など、非常に面倒な対応もしなくてはなりません。

特に、

道路使用許可の場合だと、警察署へ申請に1回、許可証取得に1回の最低2度。

道路占用許可の場合には、複数の関係庁舎との協議などが必要で、これらは直接足を運ぶ必要があり、自宅や事務所から遠い場所での申請だと時間もお金もかかってしまいます。

これら面倒な道路使用許可・道路占用許可の申請を、

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