道路使用許可申請書の書き方

道路使用許可申請書の書き方
道路使用許可申請書の書き方が、欄ごとに分かります
「様式はダウンロードできたけれど、目的の欄に何と書けばいいのか分からない」
「期間はどこまで書けばよいのか、時間まで要るのか」
「そもそも申請書は何通出すのか」
道路使用許可申請書は、A4用紙1枚のシンプルな書式です。
ところが実際に書こうとすると、欄の名前だけでは何を書けばよいのか分からず、手が止まってしまう方が非常に多い書類でもあります。
じつは道路使用許可申請書は、「何を書くか」が法令ではっきり決められている書類です。
その6つの項目さえ押さえてしまえば、あとはそれぞれの欄に当てはめていくだけになります。
今回は、申請書の様式と提出部数という前提を条文で確認したうえで、記入例の画像を見ながら欄ごとの書き方を解説し、最後に提出前のチェックポイントまで整理していきます。
1.道路使用許可申請書とは?【様式・部数・書くべき6項目】
書き方に入る前に、道路使用許可申請書がどういう書類なのかを先に押さえておきましょう。
ここを知らないまま書き始めると、記入そのものはできても提出の段階でつまずいてしまいます。
①様式は「別記様式第六」で全国共通です
道路使用許可を受けようとする人は、所轄の警察署長に申請書を出さなければならないと道路交通法で決められています。
そして、その申請書の様式を定めているのが道路交通法施行規則です。
(道路使用許可証の様式等)第十条
道路交通法施行規則(e-GOV法令検索より引用)
2 法第七十八条第一項の申請書及び法第七十八条第三項の許可証の様式は、別記様式第六のとおりとし、申請書は、二通提出するものとする。
3 前項の申請書には、道路使用の場所又は区間の付近の見取図その他の第一項各号の事項を補足するために公安委員会が必要と認めて定めた書類を添付しなければならない。
つまり、道路使用許可申請書は全国どこでも「別記様式第六」という同じ様式を使います。
各都道府県警察のホームページからダウンロードできる書式で、罫線の位置や記入欄の大きさが少しずつ違って見えるのは、この様式をもとに各県が作り直しているためです。
見た目が違っても書くべき内容は同じですので、他県の記入例を参考にしても問題ありません。
ただし、提出するのは必ず使用する道路を管轄する警察署の様式を使いましょう。
ポイント:申請書は「2通」提出します
意外と見落とされがちですが、上の条文のとおり申請書は2通提出することになっています。
1通しか持って行かず、警察署の窓口でコピーを取りに走る……というのは実際によくある光景です。
別記様式第六は、上半分が申請書、下半分が許可証という一体の様式になっています。
そのため、提出した2通のうち1通に許可の記載がされ、許可証として手元に返ってくるという流れが一般的です。
添付書類についても2部求められることが多いので、コピーの枚数には余裕を持たせておきましょう。
②法令が「書きなさい」と定めているのは6項目だけです
申請書に何を書くのかは、同じ施行規則の第10条第1項に列挙されています。
(道路使用許可証の様式等)第十条
道路交通法施行規則(e-GOV法令検索より引用)
法第七十八条第一項の内閣府令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 申請者の住所及び氏名(法人にあつては、その名称及び代表者の氏名)
二 道路使用の目的
三 道路使用の場所又は区間
四 道路使用の期間
五 道路使用の方法又は形態
六 現場責任者の住所及び氏名
この6項目が、これから解説していく申請書の各欄にそのまま対応しています。
「どこに何を書くか」で迷ったときは、この6つに立ち返ってみてください。
法令の6項目と申請書の欄の対応
- 一 申請者の住所及び氏名:③申請者情報(法人は代表者名まで)
- 二 道路使用の目的:④道路使用の目的
- 三 道路使用の場所又は区間:⑤場所または区間
- 四 道路使用の期間:⑥期間
- 五 道路使用の方法又は形態:⑦方法または形態
- 六 現場責任者の住所及び氏名:⑨現場責任者
なお、申請できるのは「道路を使う本人」か「その工事・作業の請負人」に限られ、代理で申請書を作成・提出できるのは行政書士だけです。
この点は別の記事で詳しく解説していますので、ご自身が申請してよい立場かどうか不安な方はあわせてご確認ください。

2.道路使用許可を申請する前準備
①まずはどの道路使用許可が必要なのか確認しましょう

道路使用許可を申請する場合に、どういった用途で道路を使用するかによって、申請書の内容が変わります。
ご自身が道路を利用する用途がどの使用許可に当たるかまず確認しましょう。
許可の種類
・道路において工事もしくは作業をしようとする行為(1号許可)
・道路に石碑、広告板、アーチ等の工作物を設けようとする行為(2号許可)
・場所を移動しないで、道路に露店、屋台等を出そうとする行為(3号許可)
・道路において祭礼行事、ロケーション等をしようとする行為(4号許可)




②申請書のダウンロード

ポイント:各都道府県警察署HPでダウンロードできます
申請書は各都道府県の警察署HPでダウンロードすることができます。
福岡県の場合は下記からダウンロードしてください。
福岡県の書式はこちらからダウンロードできます
ポイント:申請先は使用する道路を管轄する警察署です
道路使用許可の申請は、使用する道路を管轄する警察署です。
こちらも警察署HPから確認ができます。
福岡県の場合には下記サイトから確認ができます。
道路を管轄する警察のHPはこちらから
3.申請書を書いていきましょう
Step1:基本情報を記入していきましょう

まずは基本情報を記入していきましょう。
①申請日
申請する日にちを書きましょう。西暦・和暦どちらでもOKです。
②管轄警察署名
使用する道路を管轄する警察署名を書きましょう
③申請者情報
氏名や電話番号、住所などを記入しましょう。
ポイント:法人の場合は代表者名まで記入しましょう
法人の場合は会社名と代表者名
個人の場合は個人名
を記入しましょう。
間違いやすいポイントですが、法人の場合、代表者名を書かないといけません。
その工事の担当者名ではありませんので注意しましょう。
これは書き癖の問題ではなく、先ほどの施行規則第10条第1項第1号が「法人にあつては、その名称及び代表者の氏名」と定めているためです。
現場の担当者名や、支店長名で出してしまうと差し替えを求められます。連絡先の電話番号だけは、日中つながる現場担当者の番号を書いておくと警察署とのやり取りがスムーズです。
Step2:目的や使用場所、期間を記入しましょう

④道路使用の目的
記載例のように、道路使用の具体的な目的を記入するようにしましょう。
(他の例:看板を設置するため・ビラ配りを行うためなど)
ポイント:目的の書き方は「何号の許可か」で決まります
目的欄でつまずく方が多いのですが、書き方に迷ったら道路交通法第77条第1項に戻るのが近道です。
許可が必要な行為は、この条文で4つの号に分けられています。
(道路の使用の許可)第七十七条
道路交通法(e-GOV法令検索より引用)
次の各号のいずれかに該当する者は、それぞれ当該各号に掲げる行為について当該行為に係る場所を管轄する警察署長(略)の許可を受けなければならない。
一 道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人
二 道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者
三 場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出そうとする者
四 前各号に掲げるもののほか、道路において祭礼行事をし、又はロケーシヨンをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為(略)
目的欄には、この号のどれに当たる行為なのかが読み取れる書き方をします。
「工事のため」「作業のため」のように何の工事か分からない書き方だと、ほぼ確実に書き直しを求められます。
号ごとの目的欄の書き方例
1号(工事・作業)
・水道管布設工事のため
・電柱建替工事のため
・外壁塗装工事に伴う足場設置及び解体のため
・生コンクリート打設作業のため
2号(工作物の設置)
・広告板設置のため
・アーチ設置のため
3号(露店・屋台)
・露店出店のため
4号(祭礼行事・ロケーションなど)
・○○祭りの祭礼行事のため
・テレビ番組のロケーションのため
・ビラ配布のため
コツは「工事名・作業名」+「のため」という形で書くことです。
迷ったときは、発注者から受け取った注文書や工事名をそのまま使うと、添付する図面や工程表とも表記が揃うのでおすすめです。
ポイント:1申請で行えるのは1つの目的のみ
ただし、1つの申請で許可を得られるのは1つの目的に限られるため、注意が必要です。
例えば、「生コン打ち作業」と「廃材の搬出」はそれぞれ別の作業として扱われるため、それぞれに対して道路使用許可を取得しなければなりません。
ただし、関連する一連の作業であれば、1つの申請で許可が認められる可能性もあります。複数の作業を計画している場合には、所轄の警察署に事前に確認することをお勧めします。
詳細は過去の記事で解説していますので、下記からご覧ください。

⑤場所または区間
添付する地図にわかりやすい印をつけていれば確認ができますので、場所、区間名に関しては、所在地を記載すれば問題ありません。
⑥期間
道路の使用を開始する年月日と終了年月日を記入します。
時間帯の記入も必要となります。
ポイント:最大使用期間は許可によって異なる
期間は日にちは当然のこと、時間帯まで記入するようにしましょう。
最大期間は許可の内容によって変わります。
ポイント:道路使用許可申請期間は長めに取得しておく
また、期間に関しては長めに申請しておくことをお勧めします。
特に工事で道路使用許可を申請する場合、雨などで天候に左右される場合が非常に多いです。短い期間で申請していると、申請していた期間が過ぎてしまう場合があります。
そうなると道路使用許可の期間を延長することはできません。
改めて再申請することになりますので、二度手間になってしまいます。
詳細に関しては過去の記事で解説していますので、下記からご覧ください。

Step3:方法・添付書類・現場責任者欄を記入

⑦方法または形態
どのようにして道路を使用するかを記入します。
ポイント:図面の提出が必要になることも
この際、添付書類に現場見取り図や作業帯図など、どのようにして道路を使用するかわかるような図面の提出を求められます。
この図面は手書きで書いても問題ありません。
場合によっては誘導員などの配置を求められるケースもございます。

⑧添付書類
添付書類には以下のようなものが一般的には挙げられます。
事前に確認しておくと申請がスムーズになるでしょう。
添付書類例
- 道路の現状図
- 現場写真
- 作業時の作業帯図、作業計画図、作業形態図、保安図
- 迂回経路図(通行止めが発生する場合)
- 迂回経路の車両誘導方法の記載(通行止めが発生する場合)
- 近隣へのPRチラシや広報対策資料(車両通行止めを行う場合には添付を求められることがある)
- 町内会長の同意書(通行止めにする場合)
- 工程表(長期間の作業が行われる場合)
- 交通量調査結果(大規模工事の場合)
- 設置工作物の設計図(2号許可の場合)
- 露店などの形態図(3号許可の場合)
⑨現場責任者
現場責任者の住所氏名の記載が必要です。
⑩一番下の空欄
ここには申請者が記載する情報はありません。
警察署が利用する欄になりますので、空欄にしておきましょう。
ポイント:現場責任者は「その場にいて連絡がつく人」を書きます
現場責任者の欄は、施行規則が求める6項目のひとつです。
ここに書いた方に対して、警察署から作業当日の状況確認の連絡が入ることがあります。
そのため、現場に出ていて、作業中に電話がつながる方を書くようにしましょう。
事務所にしかいない役職者の名前を書いてしまうと、いざというときに連絡がつかず、現場が止まってしまいます。
道路使用許可申請の流れや必要書類に関しては別の記事でも解説していますので、そちらをご覧ください
ポイント:申請書を作成し警察署に申請の方法がわからない場合は
いざ申請書を作成し、警察署に申請しに行こうにもどのようにしていいかわからないという方は、過去のページで解説していますので、下記からご覧ください。

4.提出する前に確認したい5つのこと
申請書が書き上がったら、窓口に持っていく前に次の5点を見直してみてください。
当事務所が実際に警察署とやり取りをしていて、書き直しや追加提出になりやすいのはこのあたりです。
提出前チェックリスト
- ①目的が1つに絞れているか:別々の作業が混ざっていないか
- ②期間に余裕があるか:日にちだけでなく時間帯まで書けているか
- ③場所又は区間と見取図が一致しているか:住所の表記と図面の印がずれていないか
- ④現場責任者に日中連絡がつくか:携帯番号になっているか
- ⑤申請書が2通そろっているか:添付書類も同じ部数を用意したか
ポイント:図面を求められるのは「交通の妨害にならないか」を見るためです
警察署から図面や作業帯図を求められると「そこまで必要なのか」と感じるかもしれませんが、これは許可を出す側の判断基準が条文で決まっているためです。
(道路の使用の許可)第七十七条
道路交通法(e-GOV法令検索より引用)
2 前項の許可の申請があつた場合において、当該申請に係る行為が次の各号のいずれかに該当するときは、所轄警察署長は、許可をしなければならない。
一 当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき。
二 当該申請に係る行為が許可に付された条件に従つて行なわれることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき。
三 当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき。
警察署は、この3つのどれかに当てはまるかどうかを判断しています。
言いかえると、「交通の妨害にならない」ことが図面から読み取れれば許可はおりるということです。
作業帯の幅や車線をどう残すのかがはっきり描けている図面ほど、審査はスムーズに進みます。
ポイント:占用許可も必要な工事は、道路管理者を経由して出せます
足場の設置や上下水道の引き込みなど、道路占用許可もあわせて必要になる工事では、警察署と道路管理者の両方に書類を出すことになります。
このとき、道路使用許可申請書のほうを道路管理者を経由して提出できることが道路交通法に定められています。
(許可の手続)第七十八条
道路交通法(e-GOV法令検索より引用)
2 前条第一項の規定による許可に係る行為が道路法第三十二条第一項又は第三項の規定の適用を受けるものであるときは、前項の規定による申請書の提出は、当該道路の管理者を経由して行なうことができる。この場合において、道路の管理者は、すみやかに当該申請書を所轄警察署長に送付しなければならない。
ただし、この取り扱いを受け付けているかどうかは道路管理者によって差があります。
実務では警察署と道路管理者にそれぞれ出すほうが早いことも多いので、事前に確認しておきましょう。
許可を受けずに道路を使うと罰則があります
「短時間だから」「すぐ終わるから」と許可を取らずに作業してしまうと、道路交通法違反になります。
無許可で道路を使用した場合の罰則は、3か月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金です(道路交通法第119条第2項第7号)。
申請書の書き方で悩んで先延ばしにするより、早めに警察署へ相談してしまうほうが確実です。
5.まとめ
今回は道路使用許可申請書の書き方について、様式と提出部数という前提から、欄ごとの記入方法、提出前のチェックポイントまで解説しました。
書くべき内容は施行規則で6項目と決まっていますので、そこに立ち返れば迷いにくくなります。
一方で、場合によっては図面の作成なども必要になりますので、慣れていないと時間がかかります。
ご自身で申請するということになると
・事前調査の時間
・警察署・関係庁舎に行く時間
・書類の作成・図面の作成
など、非常に面倒な対応もしなくてはなりません。
特に、
道路使用許可の場合だと、警察署へ申請に1回、許可証取得に1回の最低2度。
道路占用許可の場合には、複数の関係庁舎との協議などが必要で、これらは直接足を運ぶ必要があり、自宅や事務所から遠い場所での申請だと時間もお金もかかってしまいます。
これら面倒な道路使用許可・道路占用許可の申請を、

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