屋外広告業者登録の要件について
屋外広告業者登録の要件について
屋外には、数え切れないほどの企業やお店の看板を目にすることがあります。
しかし、ちゃんと設置されていない看板が落下してしまったり、強風で看板が吹き飛ばされたり、または景観を乱すような広告が設置されたりすると、様々な被害が発生してしまいます。
このような被害を減らし、より良い環境で市民が生活できるように、屋外広告物法が定められました。
その様な理由で広告物を設置する場合には許可が必要となります。
また、主に広告物の設置を行い、屋外に広告物を掲示する業者は、「屋外広告業者登録」が必要です。
今回は、屋外広告業者登録について行政書士が詳しく解説していきます。
結論:屋外広告業者登録の概要について理解できます
①屋外広告業とは?
屋外広告物の表示や掲出物件(広告板、広告塔など)の設置を行う営業のことで、具体的には広告主から工事を請け負う施工業者が該当します。
これは、元請け、下請けは問いませんが、営業を行わない、屋外広告物の企画や製作を行うだけの広告代理業や看板製作業などは該当しません。
もしも無登録でこれらの業務を行ってしまった場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。
②屋外広告物とは?
そもそも屋外広告物というものはどういうものなのでしょうか?
以下の4つの要件を満たしていれば、表示内容が営利目的の商業広告であるか否かに関わらず、また、設置される敷地が自己所有であるか否かに関わらず、屋外広告物に該当します。
(1)常時又は一定の期間継続して表示されるものであること
(2)屋外で表示されるものであること
(3)公衆に表示されるものであること
(4)看板、立看板、はり紙、はり札、広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものであること
詳しくは過去の記事からご覧いただけます。
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③屋外広告物業者登録について
屋外広告業者登録には、営業を行う都道府県知事または市長の登録が必要です。
重要なのは、「営業を行う場所」であり、事務所が所在する都道府県でのみ申請が可能というわけではありません。
ポイント:営業を行う都道府県知事または市長の登録が必要
③−1登録の概要
・登録対象者
福岡市内で屋外広告業を営もうとする方が対象ですが、市内に営業所がなくても、市内で屋外広告物の表示や設置工事を行う場合は登録が必要です。
・登録の有効期間
5 年間(有効期間満了後、引き続き屋外広告業を営む場合は更新申請が必要です)
・登録の申請
登録にあたっては、申請者の氏名や営業所の所在地、業務主任者の氏名等を記載した登録申請書等を提出することが必要です。
・登録手数料
登録および更新申請に際し、10,000 円の手数料が必要です
③−2屋外広告業者の責務
・業務主任者の設置
営業所ごとに、屋外広告士や屋外広告物講習会の修了者等の中から業務主任者を選任する必要があります。
業務主任者について
業務主任者の選任について
①屋外広告士(登録試験機関が広告物の表示等に関し必要な知識について行う試験の合格者)
②福岡市が行う屋外広告物講習会の修了者
③都道府県又は政令市、中核市が行う屋外広告物講習会の修了者
④職業訓練指導員免許所持者、技能検定合格者、職業訓練修了者(広告美術仕上げに係るもの)
業務主任者の業務について
業務主任者は次に掲げる業務の総括に関することを行います。
①条例その他広告物の表示及び掲出物件の設置に関する法令の規定遵守
②広告物の表示又は、掲出物件の設置に関する工事の適正な施工その他安全の確保
③営業に関する帳簿の記載
④その他業務の適正な実施の確保
※業務主任者は、必ずしもその営業所の専任である必要はありませんが、雇用契約等により通常の勤務時間中はその事業所の業務に従事できる方でなければなりません。
・標識の掲示
屋外広告業者は、市内の営業所ごとに下記の事項を記載した帳簿を備え付けなければなりません。
帳簿は各事業年度の末日で閉鎖し、その後5年間保存する必要があります。
なお、下記に掲げる事項は、電子的方法、磁気的方法などによる記録に代えることもできます。
・帳簿の備付け〔条例第 36 条・規則第 25 条〕
屋外広告業者は、市内の営業所ごとに下記の事項を記載した帳簿を備え付けなければなりません。
帳簿は各事業年度の末日で閉鎖し、その後5年間保存する必要があります。
なお、下記に掲げる事項は、電子的方法、磁気的方法などによる記録に代えることもできます。
③−3欠格要件に当てはまる者は登録を受けられません(下記参照)
・屋外広告業の取り消しをされ、その日から2年未満の者
・営業停止期間が完了していない者
・屋外広告物条例に違反し、罰金等課せられ執行終了日から2年未満の者
・業務主任者を各営業所に設置していない者
ポイント:登録後に発覚して登録取り消しになることもあります。
・不正に登録を受けたとき
・外広告物法に違反したとき
・登録後、変更事項があった際に届出をしていない、又は虚偽の届出を提出したとき
・5年ごとの更新を行わずそのまま営業を続けていたとき
登録が無事完了し、屋外広告業を行えても上記の事項に当てはまる場合は取り消し処分、または罰則が課せられることもあります。
登録したから終了というわけではありませんので、更新期間や変更事項の詳しい内容等をしっかりと把握しておきましょう。
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